69年前の京急電車が復元の予定

 川口市に保存されている230形電車

 先日、友人の息子さんが川口市に保存されている京急の230形の写真を送ってくれました。この電車は、京急の前身である湘南電鉄が昭和5年に開業した時のデ1型のナンバー6号車で、昭和23年に京浜急行電鉄として独立した時、230形となったものの1両です。同じ形の車体で、当時の京浜電鉄でもデ71形として作られ、最大、湘南京浜合わせて55両となり、当時は京浜が電圧600Ⅴ、湘南が1500Ⅴであったため、両方を直通運転できるよう複電圧装置を付けていました。

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川口市児童公園の236号

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 私は戦前に金沢で生まれていますので湘南(戦前はそう呼んでました)に乘って、横浜の方に行くとき、屏風ヶ浦のトンネルを抜けると急にスピードが遅くなったり、夜は一瞬真っ暗になったりして、後で知ったことですがここで電圧の切り替えをしていたようで、品川―浦賀を直通運転できるのは、この系列の車輌だけでした。

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改造前の230形(金沢文庫付近)

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復元されたデ1形(久里浜工場、佐藤良介氏撮影)

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改造後の230形(佐藤良介氏撮影)

 230形は戦後の混乱期にも戦災で被害を受けた車両を除き、52両が大活躍をしました。その後、昭和38年から39年にかけて大きな改造もされましたが、昭和53年に京急発祥の大師線を最後に全車引退しましたが、久里浜工場、川口市と関水金属に各1両が、油壷マリンパークに2両が展示され(のちに解体)また14両が高松琴平電鉄で再活躍をして、最後の車輌は平成19年に廃車になるまで活躍しました。久里浜工場に保存されている車輌は京浜デ51形と共に製造当時の原型に復元されていますが(年1度の京急フェスタの時にそばで見られます)川口市の電車は雨ざらしのため、見るも無残ですが、廃車と共に解体されたものより、多くの人に見られ幸せだったかもしれません。川口市は引き取り手を探していたようですが、京急が引き取り、里帰りをするようで、横浜に本社が移転する時に展示されるようで、その時は立派に復元されることを期待しています。(U)

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高松琴平電鉄の元京急230形(柴橋達夫氏撮影)

2017年5月18日