八雲のご令孫と語りのプロ登場

 エピソード、紀行文の語り、夫婦演じ、紙芝居。

 11月の夜話は「語りで旅する八雲のあしあと」というテーマで、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲のお孫さんである稲垣明男さんと、フリーアナウンサーで現在も地域などで講師活動などを続けている木村佐保子さんに来ていただき、八雲の作品や親族ならではのエピソードなどを語っていただきました。
 最初に、ハーンが来日するまでのあゆみや、強度の近視だったことでの逸話、けっこう癇癪持ちだったのではと思われるエピソードなどのお話が稲垣さんからありました。その後、木村さんが横浜―鎌倉―江の島巡りをした際に書かれたハーンの紀行文が語りで紹介されました。ハーンが日本に最初に到着したのが明治23年の横浜、5か月間の滞在の中で各地を巡った内容が見たまま描かれているのですが、目を閉じて聞いているとその情景が浮かびあがってきます。参加された皆さんもわが街の光景だけにうなずきながら微笑んで聞き入っておられました。
 その後松江での話に移ります。お話は一時間では収まらず、あとはお食事やドリンクもいただきながら進めます。萩原朔太朗作品の中からハーンと妻セツのコミュニケーションの一端が書かれた内容を、稲垣さんと木村さんが会話形式で夫婦を演じてお話しされたり、1896年の明治三陸大津波の衝撃を受けTsunamiという言葉を初めて英語で紹介したハーンの作品にまつまる紙芝居がビデオで紹介されたり大変興味深い内容でした。
 その後の交流会では、ギリシャの桜、ビギン・ザ・ビギン、八雲の庭の柳の木、怪談話・・など様々な質問も飛び出しての交流、あっという間の2時間でした。

2018年11月9日